in me but in her – here is – (2021)

垂直に設置された多数の絹糸は地上約 450mm~500mm の高さで白から赤紫色へとグラデーションになっています。 この高さは人が「一人」としてこの世に生まれたつ出生児の平均身長を表しています。 未だ自己認識がはっきりとせず母親や柔らかい口元のガーゼさえも「わたし」だと認識していた乳児期、 身体の拡張ともいえるこの感覚は誰しもが持ちあわせていたのです。 2つの色層に分けられた糸の集合体は染料の滴下ではなく吸い上げによって現れたグラデーションであり、 動物(絹)と植物(地衣類 – ウメノキゴケ)、互いの強い結びつきと生命力を感じます。 繊維は人間にとって触角のような感覚器として作用し、その揺らぎは身体が粒となり空間に溶けていく感覚を与えます。 私たちが毎日衣服という膜の穴をくぐり抜け、新しい「わたし」と出会うように 時に小さな粒、時に塊としての「わたし」を見つめ、それぞれの膜を変容させながら生きているのではないでしょうか。

two artist exhibition
“Here is”
at SyuRo
20210710-0731